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目次

概要

日本語複文は、英語では、関係節、同格節、前置詞句などさまざまな表現に訳されることが多く、 これを正しく訳し分けることは、日英機械翻訳の重要な課題の一つとなっていた。 日本語複文の意味的構造を英語の構造と対比して分類できれば、翻訳精度の向上につながると期待できる。
そこで本稿では、 動詞及び節が底の名詞(英語では先行詞に相当する)を修飾する、連体節を含む文を取り上げ、 複分の意味的構造を、内と外の関係、修飾部の陳述度、底の名詞の抽象度、格関係に着目して16段に分類した。 分類の有効性を、日英機械翻訳機能試験文集(6,183文)中に含まれる複文432文を用いて検証した結果、 83%の正解率を得た。
この結果より、内と外の関係、修飾部の陳述度、底の名詞の抽象度、格関係を考慮した複文の分類が、英語と対比した複文の意味的構造解析において有効であることが示された。



MatobaKazuyuki 平成11年4月23日