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分類の考え方

2章の翻訳例を分析した結果によれば、複文に対応する英語の表現構造は、日本語側から見ると、「底の名詞」 と「それを修飾する述部」の性質に強く依存している。 具体的には、 「内と外の関係」、 「底の名詞を修飾する述部の意味的完結性(陳述度)」及び、 「底の名詞の抽象度」の3種類の情報が重要な決定要因となっていると推定される。
そこで、以下では、これらの3点と「格関係」に着目して、複文の分類を行う。分類の考え方を、図5に示す。

















(1)
内と外の関係 と 修飾部の陳述度による分類
まず、日本語複文は、「内の関係」・「外の関係」の視点から英語の「関係節」・「同格節」に、 また、修飾部の陳述度「大」・「小」の視点から英語の「節」・「句」に対応させることができる。 そこで、内と外の関係を縦軸に、修飾部の陳述度を横軸として、複文全体を4つに分類する。
(2)
格関係による分類
「内の関係」については、従来の山田1)の分類方法のように、底の名詞と修飾部の格関係に基づき、 英語の前置詞に対応させ、12に下位分類する。

(3)
底の名詞の抽象度による分類
「外の関係」について、 図3の例文「彼が犯人だという噂」と「魚の焼ける匂い」のように、 両者の英語表現「同格節」・「前置詞句」の違いが、底の名詞の抽象度および修飾部の陳述度 に依存していると言える。 そこで、底の名詞の抽象度と修飾部の陳述度に基づき、4つに下位分類する。



MatobaKazuyuki 平成11年4月23日