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Abstract:

日本語では従属節などの述語句がつなげられ長文となる傾向がある。そのため、 日本語長文の構造解析の精度を向上させるためには従属節間の関係の曖昧さを解 消することが必要である。 問題となるのは連用節から連用節へ、連用節から連体節への係り受けで、このう ち前者については、南の従属節分類[2]を読点、動詞の種類などによっ て拡張した方法[5]が提案され、述語間の係り受け解析の精度も飛躍 的に向上したと言える。しかし、後者については、連体節が様々な形式の用言を 包含することができるため、表層情報による規則では十分な効果が得られていな かった。 ところで、係り受け関係にある連用節と連体節では、格要素や底の名詞が動作主や 対象として両者の用言と関係を持っていると考えられる。 したがって、連用節と連体節の各々の動詞と格要素や底の名詞の意味の組合わせ によって、係り受け関係を判定できる可能性がある。 そこで、本論文では用言の用法と要素となる名詞の意味の組合わせに着目し、従 来の方法では解析の困難だった連用節から連体節への係り受け規則を作成した。 毎日新聞科学欄経済欄から107文より連体節述語と連用節述語のペアに対して適 用し、効果を検証した結果、正解率80.7%となり、従来法に比べ全体で10%余り の改善の可能性があることが分かった。



asano
2000-03-15