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係り受け規則については連用節、連体節それぞれの要素の組合わせになると考え
ていたが今回作成した規則を見ると、用言意味属性や名詞意味属性が単独で決定
されるものも多かった。これは、今回171例と少ない用例での規則作成であった
こと、また、単独でも係られにくい用法、係りやすい用法などがあることが考え
られる。例えば、連体節述語の用言意味属性が「相対関係」の場合、係らないと
判定されるが、「相対関係」にあたる用法は「〜に関連する」や「影響を与える」
などで、親子関係や共通要素など強い名詞同士の繋がりがなければ係り先になる
ことは少ないと考えられる。今回の結果からは用言意味属性に関する規則では、
「因果関係」や「結果」なども係り受けに影響が強いことも分かる。
今後、用例を増やすことで、今回の少ない用例にのみ当てはまるような規則を削
り、また、必要なルールを増補することにより、正解率の向上を望めると考えて
いる。また、品詞体系の一部の変換が可能になれば、コーパス中の大量の用例に
より、今回作成した規則における属性の着眼点、組合わせを利用することで、決
定木のみによる学習での規則作成も可能であると考える。
asano
2000-03-15