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従属節は主節の他に、連用節、連体節、引用節の3種類の従属節に分けられる。
本論文で言う連用節とは以下にあげる範疇のものとする。
- 1
- 末尾の文節が連用形で終っているもの
「自然に放し」、「制限することができ」、「追跡し、」など
- 2
- 末尾の文節が接続助詞で終っているもの
「繰り返されるが」、「知らないので」、「引き下げて」など
ただし、用言の連用形または「用言+テ、デ」の形であっても他の成分を伴わない
で、意味、用法が状態副詞に類するものは、副詞としての役割が強いことから状
態副詞として従属節としては扱わないとする。
-
- 大量に(放し)、手早く(塗る)、いばって(放す) など
また、連体節は以下にあげる範疇のものとする。
-
- 1
- 末尾が連体形で終わり、底の名詞を修飾する
「温度を測る(装置)」、「開かれた(経済社会)」、など
このうち主節は、他の節の係り先にはなるが、係り元にはならない。引用節、連
体節の係り先は、述語の活用形や係られる側の動詞のタイプなどによって、比較
的容易に決定することができ、連用節から引用節、連用節から連用節への係り受
けは、従来の方法で比較的高い精度を望むことができる。したがって、連用節か
ら連体節への係り受けの解析が問題となる。
本論文では、図 のような連用節を含む連体節を複合
連体節と呼ぶこととし、図 に示される「追跡し、」
「測る」、「向けて、」「開かれた」のように複合連体節を構成する可能性のあ
る述語と連体節のペアを対象とする。
asano
2000-03-15