Next: 実験結果
Up: 係り受け規則
Previous: 用言意味属性と名詞意味属性による規則
連用節述語と連体節述語が並列関係
にある場合、それぞれの動詞には共通の対象や動作主などになる格要素、または
底の名詞が存在すると考えられる。
したがって、名詞意味属性と用言意味属性の規則に加え、係り元と係り先候補の
選択された結合価パターンによって、それぞれの用言に対し同じ関係にある要素
があるかどうかを調べることで、並列構造の判定をすることができる可能性があ
る。
本論文では、図のようなものを並列構造とし、係り受け関係
にあるとする。また、通常、係り受け解析では、ひとつの要素の係り先はひとつ
とされているが、並列構造を含む文では、ひとつの要素が並列構造のそれぞれに
対して係ることもありうることとする。
図の「追跡し、測る装置」の場合では、前文節の「追跡する」
の取得した格要素と用言の組において、ガ格に相当する要素が欠ている。
この空いている格に後文節である「測る」の要素である「温度」または「装置」
が前文節のガ格として入ることのできる場合、その要素が「追跡する」と「測る」
に共通の要素とできるものとする。この場合であれば、底の名詞である「装置」
を「追跡する」のガ格として扱い、「装置が追跡する」と言える用法かどうかを
結合価パターンの名詞意味属性によって判定することで共通の要素であるかを判
定する。
asano
2000-03-15