テイル(テイタ)形については,一意正解率が65.0%と,最も低い結果となった.日本
語のテイル形は,英語では,現在進行形,現在完了形,単純現在形など様々に訳されるた
めである.なお,テイル(テイタ)形の実験データ100文で,最も頻度の高かった英語時間
表現は,単純現在形(テイタ形では単純過去形)であり,100文すべてを単純現在形(単純過
去形)と翻訳した場合、正解率は56.0%になる.
(2)結合価パターンの効果について
英語側の動詞の推定に結合価パターンを用いることで,正しい英語時間表現に翻
訳できた文が,100文中23文存在した.以下に例を示す.
しかし,結合価パターンを用いたために,誤った英語時間表現に翻訳した文も3文存在
した.
では,実際の英語時間表現は,現在進行形となっているが,結合価パターンか
ら得た英語動詞は,「N1 be worried about N2」(状態)となるため,単純現在形と翻
訳した.
結合価パターンでは,「大会関係者」が頭を痛めているという状態を捉えているの
に対して、実際の訳では,「連日の雨」が「大会関係者」に頭痛を与えている
という動作を捉えているため,誤った時間表現を選択した.しかし,例文33と結合価パターンから得た文の
違いは,主格が「連日の雨」か「大会関係者」
かの違いであって,現在形で「N1 is worried about N2」と訳しても間違いでは
ないと思われる.