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複文の精度調査実験について

複文(引用節を含む文)の精度評価実験の結 果,正解率は79.5%と単文の平均一意正解率(73.2%)より高い値となった.原因とし て単文において正解率を下げる要因となった語尾形式テイル(タ)を含む文が少な かったことが考えられる.

不正解となった文は40文存在したが,9文が主節,引用節の動詞ともにタ形であ るにも関わらず,英語の引用節の時間表現が単純過去形となっている.以下に例 を示す.

 \begin{displaymath}\ \ \ \ \ \ \ 医者は娘が危ない状態を脱したと言った.
\\
\end{displaymath} (34)


The doctor told us that our daughter was out of danger.
正解 : 主節 単純過去形 引用節 単純過去形
選択した訳 : 主節 単純過去形 引用節 過去完了形

タ形における評価実験の考察でも述べたが,主節の事象時「言った」において 「脱した」という事象を表しているのではなく,「be out of」を使っ て脱した状態を表していると思われる.前もって「be out of」という英語動詞の形 がわかれば単純過去形への翻訳は可能であるため,結合価パターンを用いた規則 を導入することで精度の改善が望める.しかし,例文34で は,得られるパターンは「escape from」であり,「be out of」というパターン を得ることはできない.



2002-03-07