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ergodic HMM による複数話者識別実験の結果

Baum-Welchの学習アルゴリズムは局所的極大点の方向に進むため、 初期パラメータによって学習後のパラメータが大きく変化し、その ため、識別率が大きく変動することが予測される。また、HMMにお いて状態の物理的な意味は、初期パラメータに依存すると考えられ、 パラメータをランダムに与えた時、話者が状態に対応する場合も考 えられるが、例えば母音と子音が状態を表す可能性もある。そこで 初期パラメータを3種類の方法で与え、識別実験を行なう。

  1. 実験1: $\mbox{\boldmath$B$}^{(0)}$にランダムな値を与えた場合

    HMMパラメータ $\mbox{\boldmath$M$}$の初期パラメータとして、初期状態確率 $\mbox{\boldmath$\pi$}^{(0)}$ と状態遷移確率 $\mbox{\boldmath$A$}^{(0)}$を等確率に、シンボル出力確率 $\mbox{\boldmath$B$}^{(0)}$をランダ ムに与える。なお、 $\mbox{\boldmath$B$}^{(0)}$を等確率に与えた場合、Baum-Welchの学 習アルゴリズムにおいてforwardおよびbackwardの値がすべての状 態で同じ値になるため、収束しない。

  2. 実験2: $\mbox{\boldmath$B$}^{(0)}$に真値を与えた場合

    初期パラメータとして、 $\mbox{\boldmath$B$}^{(0)}$は話者ごとに真値を与えるが、 $\mbox{\boldmath$\pi$}^{(0)}$ $\mbox{\boldmath$A$}^{(0)}$は等確率にする。

  3. 実験3: 全パラメータに真値を与えた場合

    初期パラメータとして、 $\mbox{\boldmath$\pi$}^{(0)}$ $\mbox{\boldmath$A$}^{(0)}$そして $\mbox{\boldmath$B$}^{(0)}$の全てのパラメー タに真値に与える。



表 2: Baum-Welch学習における初期パラメータの値
実験番号 状態初期 状態遷移 シンボル
  確率 $\mbox{\boldmath$\pi$}^{(0)}$ 確率 $\mbox{\boldmath$A$}^{(0)}$ 出力確率 $\mbox{\boldmath$B$}^{(0)}$
実験1 identical identical random
実験2 identical identical true
実験3 true true true




Subsections

Jin'ichi Murakami 平成13年10月4日