Baum-Welchの学習アルゴリズムは局所的極大点の方向に進むため、 初期パラメータによって学習後のパラメータが大きく変化し、その ため、識別率が大きく変動することが予測される。また、HMMにお いて状態の物理的な意味は、初期パラメータに依存すると考えられ、 パラメータをランダムに与えた時、話者が状態に対応する場合も考 えられるが、例えば母音と子音が状態を表す可能性もある。そこで 初期パラメータを3種類の方法で与え、識別実験を行なう。
HMMパラメータ の初期パラメータとして、初期状態確率 と状態遷移確率 を等確率に、シンボル出力確率 をランダ ムに与える。なお、 を等確率に与えた場合、Baum-Welchの学 習アルゴリズムにおいてforwardおよびbackwardの値がすべての状 態で同じ値になるため、収束しない。
初期パラメータとして、 は話者ごとに真値を与えるが、 と は等確率にする。
初期パラメータとして、 、 そして の全てのパラメー タに真値に与える。
実験番号 | 状態初期 | 状態遷移 | シンボル |
確率 | 確率 | 出力確率 | |
実験1 | identical | identical | random |
実験2 | identical | identical | true |
実験3 | true | true | true |