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通常の分析窓長のLPCケプストラムにおける実験結果

通常の分析窓長(21.3ms)でLPCケプストラムを分析した時の実験結 果を図4に示す。この図において、縦軸が 平均識別率で横軸がHMMの学習回数である。○は実験1の、△は実 験2の、□は実験3の結果である。また、実線で○△□はViterbi アルゴリズムによる結果で、破線で●▲■はForwardアルゴリズム による平均識別率である。この図から以下のことがわかる。

  1. $\mbox{\boldmath$B$}^{(0)}$をランダムにした時(実験1)は、平均識別 率で30%から40%しか得られない。また、この値は学習回数を増加 しても向上しない。

  2. $\mbox{\boldmath$B$}^{(0)}$のみ真値にした時(実験2)は、平均識別 率を実験1と比較すると大きく向上する。ただし、学習後のパラメー タを真値と比較すると初期状態遷移確率 $\mbox{\boldmath$\pi$}$は真値を持つのに対 し、状態遷移確率 $\mbox{\boldmath$A$}$は、が真値に比べ大きくなっていた。これ は、推定されたHMMでは、各時刻において他の状態へ容易に遷移し やすいことを意味する。

  3. パラメータの全てを真値にした時(実験3)でも平均識別率は最大で も約70%にしかならず、学習回数を増加させるにしたがい、逆に平 均識別率は減少していく。

  4. ViterbiアルゴリズムとForwardアルゴリズムでは、Forward アルゴリズムの方が、やや高い平均識別率を得る。

図 4: 通常の分析窓長のLPCケプストラム を用いた時の学習回数と識別率との関係
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\fbox{\epsfile{file=figure1.eps,width=75mm,height=65mm}}\end{center}\end{figure}



Jin'ichi Murakami 平成13年10月4日