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今後の課題

今後の課題として,以下の項目がある.

  1. 手作業で作成された翻訳対の翻訳確率の最適化

    手作業で作成された翻訳対は信頼性が高いため,翻訳確率値が大きい方が,高 い翻訳精度が得られると考え,第[*] 章において翻訳対に付与した翻訳確率の重みを変化させて翻訳実験を行った. この結果,翻訳精度が向上した(表[*]).しかし,重みを大きすぎると翻訳精度が低下した.この結 果から,重みの最適化が必要であると考えている.そ して,この重みの最適化にMERTが使用できると考えている.

  2. 翻訳確率値を付与できなかった翻訳対の追加

    本研究では約26万個の手作業で作成された翻訳対のうち,約13万個の翻訳対に 翻訳確率値を付与できた.そして,翻訳確率値を付与できなかった翻訳対約13 万個は,削除した.そこで,翻訳確率値を付与できなかった翻訳対約13万個に 対して,翻訳確率として閾値を与えて,翻訳実験を行った.しかし,どのよう な閾値を与えても,BLEU,METEORともに低下した.今後,確率を付与できなかっ た翻訳対の,確率の付け方を考えてみたい.

  3. 述語節に関する翻訳対の追加

    翻訳において,述語節が正しく翻訳されているか否かは,人間の評価において 重要な判断要素となりやすい.つまり,述語節が正しく翻訳されると,文の意 味が分かりやすくなり,人間による翻訳精度の評価が向上する,そこで,今後 は特に,述語節に関する翻訳対を追加し,翻訳精度の調査を行いたいと考えて いる.また,英辞郎[17]には,手作業によって作成された200万以上 の日英の翻訳対がある.これを利用することでさらに翻訳精度が向上すると考 えている.



Jin'ichi Murakami 平成22年9月2日