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おわりに

本研究では,手作業で作成した信頼性の高い翻訳対を,プログラムで自動作成 したフレーズテーブルに追加して,単文と重複文における日英翻訳の精度評価 を行った.約13万の翻訳対を追加し,追加した翻訳対の翻訳確率の重みを変え た結果,BLEUスコアが日英翻訳において,単文では12.5%から13.4%に0.9%向 上した.また重複文では7.7%から8.5%に0.8%向上した.また出力英文100文 に対し人間による対比較実験を行ったところ,単文では,従来法が良いと判断 された文が5文であるのに対し,提案法では23文,また重複文では,従来法が良 いと判断された文が15文であるのに対し,提案法では35文となった.

以上の結果から,提案手法の有効性が示された.今回の実験では日英重複文文 型パターン辞書[3]の対訳文対から,手作業で作成した翻訳対を追加し た.今後は他の辞書の翻訳対も追加して,翻訳精度の調査をすることを考えて いる.また,追加する翻訳対の翻訳確率値に対する重みの最適化の方法につい ても考えていく.



Jin'ichi Murakami 平成22年9月2日