人手対訳句の作成

対訳句を人手で作成する手法として,対訳文とその対訳文から人手で作成した対訳文パターンを用いる手法がある. 具体的には,対訳文とその対訳文から人手で作成した対訳文パターンを比較した変数部から品詞がAJ(形容詞),V(動詞),N(名詞),ADV(副詞),AJV(形容動詞),VP(動詞句), AJVP(形容動詞句),ADJP(形容詞句),NP(名詞句)の対訳句を抽出し作成する. また,対訳句は基本的に句単位で作成しているが,単語単位や節単位の形で作成されたものも含まれる. なお,詳しい対訳文パターン作成方法は池原らの論文[15]を参照のこと.

対訳文の例を表4.2,対訳文パターンの例を表4.3,対訳文と対訳文パターンの比較により作成された対訳句の例を表4.4に示す.この例では,表4.2の対訳文と表4.3の対訳文パターンを比較し,対訳文パターンにおける,「NP」や「AJ」などの変数に当たる対訳文中の語句を抽出した結果,表4.4に示す「彼 の,his」「若い, young」などの対訳句が作成されている.


表: 対訳文の例
彼 の お母さん が ああ 若い と は 思わ なかっ た 。
I never expected his mother to be so young .


表: 対訳文パターンの例
NP N が ああ AJ と は V なかっ た 。
I never V NP N to be so AJ .


表: 対訳文と対訳文パターンの比較により作成された対訳句の例
日本語句 英語句
彼 の his
お母さん mother
彼 の お母さん his mother
若い young
思わ expected