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分析3:「に・で」使い分け

素性の取捨に基づく分析により「に・で」の分析を行った.表6.3に取り除いた素性ごとの正解率を示す. 分析の結果,「に・で」の分類の際に素性群「述部$V$,体言の文節$N$,N以外体言,品詞,分類,直,他助詞」が有効であるとわかった. 最も効果の高い述部$V$に関する例文を次に示す.
述部$V$がなくても判断可能
 イスラエルからの報道によると、原因は入植者【にorで】[述部$V$]居住区域の拡張工事。
 述部$V$=よる;【】=に
述部$V$がないと判断困難
 田弘子はひとり【にorで】[述部$V$].
 述部$V$=歩いてきた;【】=で
述部$V$がなくても判断可能な文は,一般的には「で」を使うべきではないと判断できる.この問題に関しては,体言の文節$N$から人は予測している可能性がある.体言の文節$N$も効果のある素性としてあげられているため,これらの情報を総合的に判断していると考えられる. 判断困難な文は,使い分けを推定することは難しい. 結果から,述部$V$が「に・で」の使い分けの判断に重要であることがうかがえる.
  • 素性の取捨に基づく分析:「に・で」
  • 表: 素性の取捨に基づく分析:「に・で」

    取り除いた素性 正解率
    なし 0.8066
    述部$V$ 0.7801
    体言の文節$N$ 0.7900
    共起 0.8338
    係り先 0.8076
    N以外体言 0.7818
    品詞 0.8025
    分類 0.8037
    0.7824
    他助詞 0.8064
    文脈情報 0.8074



    平成25年2月12日