next up previous contents
次へ: 追加実験 上へ: 句ベース統計翻訳における考察 戻る: b)日英間のフレーズ対応の改善   目次

提案手法が有効でない例

統計翻訳では,翻訳精度が低いが,翻訳確率が高い出力文が存在する. 一方提案手法では,翻訳確率を用いて出力文を選出する.よって提案手法では,出力文の選出が適切ではない文が存在する.表7.51に例を示す.また,提案手法における翻訳候補と翻訳確率を表7.52に示す.


表: ベースライン◯の例
入力文 とうとう 雨 に なっ た 。
正解文 It began to rain at last .
ベースライン Eventually it began to rain .
(翻訳確率*) (-1.2980)
提案手法 He finally to rain .
(翻訳確率*) (-1.2970)


表:7.51における提案手法の翻訳確率
``原文"の出力文 Eventually it began to rain .
(翻訳確率*) (-1.2980)
``私は"の出力文 I was finally to rain .
(翻訳確率*) (-1.7130)
``彼は"の出力文 He finally to rain .
(翻訳確率*) (-1.2970)
``彼女は"の出力文 She was finally to rain .
(翻訳確率*) (-1.6270)
``私たちは"の出力文 We were finally to rain .
(翻訳確率*) (-2.0750)
``それは"の出力文 It was finally to rain .
(翻訳確率*) (-1.7380)
``あなたは"の出力文 You 're finally to rain .
(翻訳確率*) (-2.2460)
``彼らは"の出力文 They were finally to rain .
(翻訳確率*) (-1.8160)
``誰かが"の出力文 Someone was finally to rain .
(翻訳確率*) (-2.2040)

7.52より,提案手法の翻訳候補において,``原文"の出力文が,最も翻訳精度が高い.しかし,提案手法では,``彼は"を補完した出力文の翻訳確率が最大となる.よって,表7.51における提案手法の翻訳精度は,ベースラインよりも低い.表7.12で示したベースライン◯の他の2文においても,提案手法の翻訳精度が低い原因は同様である.


next up previous contents
次へ: 追加実験 上へ: 句ベース統計翻訳における考察 戻る: b)日英間のフレーズ対応の改善   目次
平成25年2月13日