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情緒推定方法

本辞書を利用した自動推定の手順を以下に示す.

(1)
本辞書の全てのパターンと入力文を照合する.
(2)
マッチしたパターンに付与されている「判断条件」$C$, および「情緒属性(情緒原因・情緒名・情緒主・情緒対象)」$E$を得る. これで, $C \rightarrow E$という命題を得たことになる. なお,$C$$E$は元々は命題関数であり, そこに用いられる変数$N1,N2$などには入力文の該当部分が代入されている.
(3)
判断条件$C$の真偽を判定する. 真の場合は,情緒名などの$E$を出力する. 偽の場合は,《なし》を出力する(情緒の出力を抑制する).

なお,判断条件$C$の真偽を問わない場合は$E$をそのまま出力する. 動詞からデフォルトとしての情緒が推定されることになる.

たとえば,「お父さんと子供が遊園地を訪れる」という入力文を情緒推定する場合を考える. この文には,図2.2のパターンがマッチする. 遊園地は,遊ぶところがたくさんあり, 自由度が大きいため,子供は嬉しいと思っている. しかし,もし「お父さんが仕事の締め切りに追われている」という状況であれば, 「子供と遊んでいる場合ではないのに、遊園地は嫌だなぁ」と思うかもしれない. この状況設定では,「目標実現・近(子供,遊園地)」は真であり, 「目標実現・離(お父さん,遊園地)」は真である. こうして情緒推定の過程に妥当な説明がつく.



平成25年2月12日