たとえば,入力文「子供がピーマンを食べる」を情緒推定する場合を考える. 「子供はピーマンが嫌いである」という状況を設定すると,正解情緒は《嫌だ》と予測される.
この文には,図2.3のパターンがマッチし, 情緒属性を得る.
この状況設定では,「生理・近(子供,ピーマン)」は偽であり, 《なし》を出力する(情緒の出力を抑制する). 正解情緒である《嫌だ》と一致しないため,不正解となる.
「1が
2を食べる」は,
生起する情緒が食べる物に依存するため,
「接近」と「乖離」のどちらの判断条件も必要な用言(結合価パターン)である.
しかし,判断条件「生理・近」しか付与されておらず,
それに基づく情緒名《好ましい》しか付与されていないため,
1にとって
2が生理に不快である状況も考慮されていない.
このように,状況の対称性が考慮されていない用言(結合価パターン)が存在する.