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考察

入力文と文型パターン辞書を照合する際に,意味属性制約を使用する場合としな い場合の提案手法の翻訳実験を行った結果,入力文に対するカバー率が25% (955/3,952)に上昇した. 表6.1より,意味属性制約を使用しない方が良い結果となった. この要因を調査するために,意味属 性制約を使用する場合としない場合で翻訳結果が変わった8件の場合を考察する.翻 訳結果が変わった入力文の翻訳において,5.1節で用いた誤り解析の基準 で考察を行った結果を表6.2に示す.

表 6.2: 意味属性制約の有無による違いの解析結果
  翻訳○ スコア× 統計× 中間×
意味属性制約あり 1 1 0 6
意味属性制約なし 4 1 3 0

6.2の結果から,意味属性制約を使用する場合では,翻訳に有効な中間言 語文が作成されていないが,意味属性制約をしようする場合では作成されている ことがわかる.このことは,入力文の要素の意味属性と文型パターンの意味属性 制約が異なっても,翻訳に有効な中間言語文への変換が行われればよい可能性が ある.また別の要因として,意味属性の制約が強すぎたことによって,適合され てほしい文型パターン対が適合していなかった場合が考えられる.


平成24年3月30日