「未知語の減少」は,「従来手法の結果には未知語があったが,提案手法の結果 にはない文」である.提案手法において翻訳精度が向上した42文中に,単文の翻 訳結果で2文,重文複文の翻訳結果で3文あった.例を以下に示す.
未知語の減少による翻訳精度向上の例1:単文 | |
入力文 | 物価 は 依然 暴騰 し て いる 。 |
正解文 | Prices are still soaring upward . |
従来手法 | Prices are still 暴騰 . |
提案手法 | Prices are still skyrocketing . |
未知語の減少による翻訳精度向上の例2:重文複文 | |
入力文 | 人並みの品位を保とうと試みた。 |
正解文 | They attempted to maintain ordinary decency . |
従来手法 | 保と attempted a decent dignity . |
提案手法 | I tried to keep ordinary dignity . |
学習データの区切りを変えたとき,フレーズテーブルの学習時の単語の対応も変 わる.そのため,従来手法において,学習時にフレーズ 対応が``矛盾する''と 判断され,フレーズテーブルに生成されなかった語彙が,別の区切りのフレーズ テーブルでは``矛盾しない''と判断され,生成できることがある.提案手法では, 語彙のカバー範囲が異なる2つのフレーズテーブルを併用しているため,語彙の カバー率が向上し,出力文の未知語が減少した.