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過剰汎化文型パターンの与える影響

過剰に汎化されたと考えられる文型パターン(3件)が与える影響を考察するために, 包含関係による縮退までを行った辞書(D3)と, この3件を削除した,縮退版文型パターン辞書(D4)を比較する.

7より, 辞書D4は辞書D3と比べて,再現率($R1_{cross}$$R1_{open}$)が大きく減少したことが分かる. つまり,この3件の文型パターンのみが適合する入力文が多く存在することが言える.1

しかし,表89の結果から 意味的な被覆率 $\left( R1 \times P2 \right)$は,辞書D3,D4のどちらも同じ値となっている. さらに,正解率$P1$$P2$の両方ともが向上している.

したがって,過剰に汎化された文型パターンを削除することで, 再現率は低下するが,意味的な精度が変化しなかったため 文型パターン辞書としての精度は向上したと考えている.

そこで,3.3節で調査した,適合頻度上位10件の文型パターンを調査した. その結果,過剰に汎化された文型パターンを,本研究で削除した3件に加え,新たに4件発見した.

したがって,今後さらに過剰に汎化された文型パターンを削除することで, 意味的に不適切な文型パターンへの適合が減少し,辞書の精度が向上すると考えられる.


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平成19年3月1日