評価項目は,(1)記述子処理の正確性,(2)英語原文の復元の可能性,(3)出力英 文の意味的な正しさとした.結果として,(1)は,変数および記号は正確に,語 形関数はほぼ正確に処理できた.品詞変換関数は,変換が困難なものが多いが, その場合は他の英語パターンを使用することで対応が取れる.(2)は,約10%しか 復元できなかったが,絞り込みの処理が正確にできなかった例はなく,問題は, 辞書引きの失敗,尤度による選択や英語パターンの表記であった.なお,現在, 英語パ ターンの表記については関数を付与する対策がなされている.(3)は,意味的・ 統語的に正しいものが約50%を占め,さらに,統語的に誤りがあるが意味的に は正しいものが約40%を占めた.従って,英語原文と全く同じ英文を生成でき なくても,意味的に正しい英文を生成でき,本提案方式の基本的な可能性を確 認できたと言える.
今後は,句変数の翻訳システムの組み込み[8][9],関
数を付与する対策がなされた文型パターンの使用,意味属性を用いた選択,ま
た,オープンテストでも良い英文を生成できるように,改良を行う.