next up previous contents
次へ: おわりに 上へ: 今後の開発に向けて 戻る: 今後の開発に向けて   目次

品詞変換関数について

クローズドテストの結果,品詞変換関数は変換が不可能なものが多かった.変換 不可能な例を多く持つ品詞変換関数について,例を示す.これらの変換は,特 に注意する必要がある.
●日本語変数が$V$,英語変数が$ADV$の例
(例1)
入力文:転んだ子供に手を貸して起こしてやった。
英語原文:I helped the fallen child up.
日パターン:<$N1$ は> $V2.kako$^$rentai$ $N3$ に 手を 貸して $V4$#1[$.teyaru$]$.kako$
英パターン:<I|$N1$> helped the $AJ2$ $N3$ $ADV4$.
出力:I helped the tumbles down family gave rise to .
下線部が変換不可能な部分である.出力は,品詞変換できていない.英語原文 では,``up''が相当する.自動詞 ``起きる''であれば,``起きて''で辞書引き可能であるが,``起こす''と他動 詞のため辞書引きに失敗した.他動詞は注意する必要がある.
(例2)
入力文:本論を契機としてその後この分野における重要な発見が 相ついだ。
英語原文:With this issue as a momentum, notable discoveries in this field were successively
    reported.
日パターン:$N1$$N2$ として その後 #3[$GEN4$] $N5$ における #6[$AJV7$^$rentai$] $N8$
    $V9$$.kako$
英パターン:With $N1$ as $N2$, #6[$AJ7$] $N8$ in #3[$AJ4$] $N5$ be^$past$ $ADV9$ reported.
出力:With main issue as chance , notable discoveries in this field was <adv7:相つい> reported .

下線部が変換不可能な部分である.出力は,辞書引きに失敗した.英語原文で は,``successively''が相当す る.``successively''は,``連続的に,逐次''などの意味を持つ.``相次ぐ'' と``連続的に,逐次''は同じ意味であるため,日本語要素の末尾変化だけでな く,言い替え技術を導入すると,変換できる可能性がある.
●日本語変数が$ADV$,英語変数が$N$の例
(例1)
入力文:みんな帰った後、一人居残って、仕事を片付けた。
英語原文:After everyone left, I stayed on and cleared up my work.
日パターン:$ADV1$ $V2.kako$^$rentai$ (後|あと)、<$N3$ は> 一人 $V4$ (て|で)、$N5$$V6.kako$
英パターン:After $N1$ $V2$^$past$, <I|$N3$> $V4$^$past$ on and $V6$^$past$ <my|$N3$^$pron$^$poss$> $N5$.
出力:After (n1:みんな) departed , I remained on and finished your work .

下線部が変換不可能な部分である.出力は,辞書引きに失敗した.英語原文で は,``everyone''が相当す る.``みんな''は,``皆''に撥音を添加したもので,意味は同じである. ``皆''なら辞書引き可能であったため,これも言い替え技術を導入すると,変 換できる可能性がある.
(例2)
入力文:心安く近づこうとするのをはねつけた。
英語原文:She rebuffed attempts at familiarity.
日パターン:$ADV1$ $V2.utosuru$^$rentai$ のを <$N3$ は> $V4.kako$
英パターン:<She|$N3$> $V4$^$past$ $V2$ at $N1$.
出力:She refused draws near at (n1:心安く) .

下線部が変換不可能な部分である.出力は,辞書引きに失敗した.英語原文で は,``familiarity''が相当す る.日本語要素の語尾を名詞にするために,``心安さ''として,辞書引きに 失敗した.辞書には,形容詞で``心安い''は辞書引きできる.よって,名詞の ``心安さ''も辞書に登録すると,変換は可能となる.


next up previous contents
次へ: おわりに 上へ: 今後の開発に向けて 戻る: 今後の開発に向けて   目次
平成19年3月16日