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本研究の目的

先ほどの例を用いて説明する.
日本文:大勢の前で話すときは多くの人があがるものだ。
日本語パターン:$VP1$ときは$NP2$$V3$ものだ。
対訳英語パターン:$NP2$ $V3$ when $N3$ have to $VP1$.
対訳英語文:Many people have stage fright when they have to
give a speech in front of a large audience.
下線部が,本研究の対象である動詞句である.
    1章のはじめにで述べたように.局所翻訳とは,英語のパターンにおいて 変数で表された線形要素に,変数に対する日本語の英訳を代入することで全体 の英文を生成する翻訳方式である.
    動詞句についても,日本語パターンの動詞句部分に適合した日本文を用 いて翻訳を行い,変数「$VP$」に代入する英訳を生成する.しかし,先ほどの 例において,動詞句と見なされた「大勢の前で話す」という情報のみで本 当に「give a speech in front of a large audience」という対訳が生成可能 であるかという局所翻訳の可能性はまだ分かっていない.そこで,本研究では, その可能性の程度の検証を行う.
    また,先行研究[2]により単文の翻訳に「結合価パターン」 が有効であることが分かっている.動詞句は単文とよく似ており,単文の主語 を除いたものを動詞句と見なすことができる.そこで,本研究では動詞句の翻 訳においても結合価パターンは有効であるかを検証する.
    よって,本研究の目的は以下の2点の検証である. ここで,参考1は,結合価パターンを用いた翻訳システムである.参考1は,非 線形性のある格要素と述語の関係は結合価パターンでカバーしており,さらに 他の手法を用い,線形要素についてもカバーしている.本研究では,結合価パ ターンのみで動詞句の翻訳がどの程度可能であるかを検証するため,本研究に て翻訳プロトタイプ「queen」の作成を行う.



平成17年4月14日