パターンに含まれない単語がない場合は,パターン外意味を用いた手法を適用 できない. この理由からパターン外意味だけでの最適なパターンの絞り込みは, 不十分だと考えられる. このため,本研究ではパターンにすべての単語が含まれる場合, 原文中の変数意味情報を目的言語のパターンの変数意味情報と比較し, 最も一致したパターンを意味的に最適なパターンとして 出力する.
以下に品詞意味情報を用いた手法の例を示す.
(例文10)「辱めを受けるくらいなら死ぬ」
例文10は,表1より日本語パターン10B 「N1はV1するくらいならV2する」にあてはまる. 10Bに対応するパターンとして,対応の仕組みによって 表2から2パターンが出力される.意味と品詞が対応したパターンを変数意味情報と ともに以下に示す.
例文10には,パターンにすべての単語が含まれるため, パターン外の意味を利用してパター ンを絞り込む ことができない.しかし原文中の「V1:辱めを受ける」「V2:死ぬ」の変数意味情報 が[V1重々しい,V2重々しい]と考えられるため,上記の4パターンのうち, 変数意味情報が最も一致した10bを出力する.