また,本研究における評価データには存在しなかったが,本規則では解析が困難 な表現も存在する.
例文24は「のに」という形式でありながら「の」が「もの」と交替可能な例であ る.同様の表現は「のに」「のだ」にも存在する.例文19においては「テーブル」 が「置き換えられた」のであって,接続助詞的な用法である「のに」を用いた重 文構造ではなく単文であることが分かる.さらに「テーブル」が「置き換えられ る」という情報から「もの」であると判断することができる.しかしこのような, 「の」に係っている語の係り受け関係で判断する方法が一般的な規則と成り得る かは分からず,今後さまざまなデータを検証する必要がある.