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適合する文型パターンがあった入力文に対して,1入力文にどれだけの文型パターンが適合したかを表10に示す.表の各欄の意味は,4.2節の(2)の場合(表8:「母集団試験文」の場合)と同様である.
1.5
表 10:
入力文1文に対する適合文型パターン数
文型パターン種別 |
異なり文型パターン数 |
延べ適合文型パターン数 |
適合文型パターン当たり |
|
の平均 |
の平均 |
の解釈の数 |
単語レベル |
4.53件 |
7.71件 |
1.70件 |
句レベル |
33.73件 |
120.10件 |
3.56件 |
節レベル |
9.75件 |
34.85件 |
3.57件 |
混合レベル |
48.01件 |
162.66件 |
3.37件 |
この表と表8から以下のことが分かる.
- (1)
- 単語レベルでは,異なり文型パターン数,延べ適合文型パターン数共に,「母集団試験文」の場合に比べて,ほぼ半減している.
- (2)
- それに対して,句レベルの減少は30%程度にとどまっており,節レベルでは,殆ど低下していない.
- (3)
- 適合文型パターン当たりの解釈の数は,「母集団試験文」の場合と目立った違いはない.
これらは,単語レベルの文型パターンは汎用性が乏しく,母集団が異なる入力文に対して弱いが,句レベル,節レベルになるにつれて汎用性が増大することを意味している.同一母集団のテスト文では,節レベルの文型パターンの有用性が乏しかったが,異なる母集団の入力文で効果を発揮することも予想される.
平成16年11月17日