自由発話の言語的な特徴を把握するための言語データベースとして、ATRの 言語データベースのなかから、申し込み者と事務局員が通訳を通して国際会議 の問い合わせをしているデータを利用した( 3.3.1節参照 )。このデータ の収録条件を表6.1 に示す。申し込み者役にはナレー タ(アナウンサや声優など音声を使うのを職業としている人)の他に一般の話 者も含まれているが、対応する事務局員役は、この分野の専門家が演じている。 また収録は、遮音室の他に通常の部屋でも行なっている。
発話内容 | 国際会議の申し込みに関する参加者と |
事務局の対話 | |
データ量 | 3178対話、11054文 |
発話様式 | 自由発話 |
「トピック」(質問項目と、その背景 | |
に関する情報)や「バックグラウン | |
ド」(会話の前提になる背景)を詳 | |
細に設定して対話したもの。 | |
発話環境 | |
1 通常の部屋 | 大部分が家庭用のカセットテープ |
レコーダで録音。外来雑音も混在。 | |
2 スタジオ録音 | DATで録音。明瞭。 |
(遮音室) | |
話者 | |
1 事務局員役 | 当該分野の専門家 |
2 申し込み者役 | ナレータ + 一般話者(複数話者) |