表6.7の例では,TDSMTでは入力文の「よく」が「日程」を修飾する文法で出力された.Mosesの出力では「carefully」を利用し動詞の「check」を修飾する文法で出力した.意訳するとどちらの出力文も入力文の意味を読み取れる.Mosesの出力文の方が入力文の修飾関係に近いため,評価をMoses◯とした.
表6.8の例では,両方の出力文で「そば を 離れ ない」の訳出に「is chained to」が使われている.意訳をすれば入力文の意味と読み取ることが可能である.しかし,TDSMTの出力文では「chained」の後が「to to」と重複して出力されている.このため,この文の評価をMoses◯とした.TDSMTでは変換テーブルに過不足がある場合や,助詞「の」や「を」などに変換テーブルが適用され場合,このような問題が多く観測されている.
表6.9の例では,この入力文ではTDSMTの出力文とMosesの出力文で正しい翻訳文が出力されていない.TDSMTの出力文では主語が彼になっている.Mosesの出力文では「anything」ではなく「something」を用いるのが正しい.両方の出力文が誤っている場合,どちらの出力文がより,入力文の意味を読み取りやすいかを基準とするため,この文の評価をMoses◯とした.