next up previous contents
Next: 追加実験2(提案手法を拡張した実験) Up: 追加実験1(句に基づく統計翻訳器での実験) Previous: 自動評価結果   目次

MosesとPBSMTにおける文全体の翻訳精度の差

7.25より,Mosesにおいても未知語の翻訳精度は約50%だった.一方で,表7.26より,Mosesにおける文全体の翻訳精度は約5%しか向上しなかった.また,表6.5より,PBSMTにおける文全体の翻訳精度が約20%向上したことから,MosesとPBSMTにおける文全体の翻訳精度には約15%の差が生じていることが分かる.未知語の翻訳精度が同等にも関わらず,文全体の翻訳精度において差が生じた理由として,ベースラインの文構造の差が考えられる.Mosesは,フレーズテーブルから句を参照し,複数の句を結合することで文を生成するため,文構造が明白ではない傾向にある.一方で,PBSMTは,入力文に対してパターン照合を行い,適合したパターン内の変数部分を対訳句辞書を用いて翻訳することで文を生成する.したがって,文構造がMosesよりも明白である傾向にある.つまり,PBSMTの方がMosesよりも,正しい未知語翻訳ができた場合に文全体の翻訳精度が向上しやすくなる.したがって,MosesとPBSMTにおける文全体の翻訳精度に差が生じたと考えられる.



s122019 2018-02-15