そこで,本研究では語順変更の手法の限界を調査するため,テスト文に参照文があると仮定し,日本語文を英語の参照文の語順に並び替える.その後,句に基づく統計翻訳を行い,語順変更の効果を調査した.
実験の結果,人手評価において,単文では提案手法の方が優れている文が100文中7文,ベースラインの方が優れている文が100文中5文という結果になった.また,重文複文では提案手法の方が優れている文が100文中2文,ベースラインの方が優れている文が100文中5文という結果になり,単文と重文複文ともに差は見られなかった.このことから,語順変更では翻訳精度の大きな向上が見られないと考える.今後は語順変更以外の手法で,翻訳精度を向上させる手法を調査する.