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ロジスティック回帰分析

ロジスティック回帰分析[9]は,独立変数が観測値や確率などの量的な値で,従属変数が2値(0または1)の質的な値である場合に用いる回帰分析手法である.ロジスティック回帰分析は生物学の分野では,投薬実験による実験対象物の生存・死亡などの2値しかとらない結果において,その反応の割合を分析するために広く利用されている.また,ロジスティック回帰分析を用いることで独立変数の条件下である事象が発生する条件付き確率を予測することができる.このため医学の分野においても,ある病気が発生する要因を検索するために,いくつかの検査数値に対して発病する確率を推定する方法として用いられている.

ある独立変数 $ X=\{x_1,x_2,...,x_n\}$ に対して,ある事象が発生する(=1)もしくは発生しない(=0)ことを表す従属変数を$ Y$ とすると独立変数$ X$ に対して発生する確率$ p$ と発生しない確率$ 1-p$ はそれぞれ式(3.1),式(3.2)と表すことができる.

$\displaystyle p = Pr(Y=1\vert X)$ (3.1)

$\displaystyle 1-p = Pr(Y=0\vert X)$ (3.2)

このとき,ロジスティック関数を用いて独立変数とある事象の発生の関係を記述するモデルとしてロジスティック回帰モデル(式(3.3))がある.

$\displaystyle p = {\frac{exp(a + b_{1}x_1 + b_{2}x_2 + ... + b_{n}x_n)}{1+exp(a + b_{1}x_1 + b_{2}x_2 + ... + b_{n}x_n)}}$ (3.3)

ここで,$ a$ は定数,$ b_{n}$ は独立変数$ x_n$ の回帰係数である. 式(3.3)はロジット変換により線形回帰モデル(式(3.4))に変換される.

$\displaystyle \log \frac{p}{1-p} = a + b_{1}x_1 + b_{2}x_2 + ... + b_{n}x_n$ (3.4)

式(3.4)により線形回帰モデルの枠組みでモデルの回帰係数を推定することが可能である. 本研究では統計ソフトR[10]を用いて,ロジスティック回帰分析を行う.



平成27年3月13日