英語文の部分的構造は英語文パターンの記号と変数および関数で定義されている.記号は日本語入力文と日本語文パターンの照合結果により処理が決まる.記号は構造上の線形性を記述するために使用される.英語文パターンで使用される記号を表2.6に示す.記号を分類すると(1)OR条件による線形要素の適合範囲拡大のための記号,(2)線形要素の挿入や省略のための記号に分類できる.
分類 | 記号名 | 書式 | 説明 |
(1) | 要素選択 | (パターン記述1 | 複数記述された要素のいずれか |
記号 | パターン記述2 ) | を使用 | |
対応型要素 | #数(パターン記述1 | 日英方向の要素の対応関係を | |
選択記号 | パターン記述2 ) | 保ったまま対応する順序で日英方向 | |
の要素を指定 | |||
訳出要素 | #数 パターン記述1 | 日本語文パターンで左側のパターン | |
選択記号 | パターン記述2 | 記述に対応する要素が適合しなかった | |
場合,右側のパターン記述を使用 | |||
標準形 | `用言の標準形' | 字面部分の標準形を指定 | |
表現記号 | |||
(2) | 任意要素 | #数[ ] | 日本語文パターンで適合する要素 |
記号 | がある場合のみ訳出対象 | ||
要素挿入 | #数{挿入要素} | 英語側の要素の中に副詞等の | |
記号 | 別の要素を挿入し訳出 |
変数には表2.7の変数を用いる.
分類 | 変数 | 説明 | 分類 | 変数 | 説明 |
単語 | 名詞または名詞複合語 | 句 | 名詞句 | ||
時詞 | 動詞句 | ||||
数詞 | 形容詞句 | ||||
用言性名詞 | 形容動詞句 | ||||
動詞 | 副詞句 | ||||
形容詞 | 節 | 節 | |||
形容動詞 | その他 | 直接引用で | |||
副詞 | 使用され, | ||||
連体詞 | どの要素も | ||||
限定詞 | 使用可 |
英語文パターンの記述子は表2.7の変数および関数である.関数は制約の機能を持ち,先行する記述子に制約を与え,変数のみによる制約よりも厳しい絞り込みが可能である. 英語文パターンで使用される関数を表2.8に示す.
分類 | 関数 | 説明 |
名詞制約 | , , | 目的格,所有格,代名詞 |
, | 独立所有格,再帰代名詞 | |
動詞制約 | , , | 原形,過去形,現在分詞形 |
, | 現在形,過去分詞形 | |
形容詞制約 | , | 比較級,最上級 |