文例1 | ``それは"天気になる。 |
対訳英語文1 | It clears up . |
文例2 | ``それは"犬にコートを着せるなんて過保護だ。 |
対訳英語文2 | It is overprotective to put a coat on a dog . |
文例3 | ``誰かが"誰かに足を踏まれた。 |
対訳英語文3 | Somebody stepped on my foot . |
表9.4の文例1では,``それは"を補完している.しかし天気を表す文に対しては,主語補完を行うべきではない.文例2についても同様に,``それは"を補完すべきではない.
また,文例3では,``誰かが"を補完している.ここで,対訳英語文2を日本語に変換すると,``誰かが私の足を踏んだ。"となる.しかし,テストデータの日本語は,``誰かに足を踏まれた"と,受身の構造となっている.これが原因で,主語補完が誤っている.
表9.3より,4.4.3節で説明した主語補完方法でも,主語補完に誤りがある文が存在することが確認できた.今後,学習データに主語補完を行い,翻訳精度の向上を目指すためには,さらに精度の高い主語補完方法を提案する必要がある.