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目次
評価実験3では第4章で本手法が有効であると分類した記事について,
本手法を適用したものとそうでないものについての比較を行った.
実験手順はまず,表4.1の分類にもとづいて,本手法が有効だとした
記事を6件選ぶ,そして,その記事を見て,特に記事の内容と関連の
ある事柄について問う設問を設ける.例えば,図5.4
の例では「ぼけ対策の共同研究として,どのようなことを行いますか」
となる.解答は「アルツハイマー病の研究」となる.
- 91年毎日新聞記事データベースから抽出した記事について,
表4.1の分類にもとづいて,本手法が有効であると判断できる記事を
6件用意する.
- 実験用の設問を作成する.この際,表4.1の分類にもとづいて
設問を作成する.例えば,「A. ある事柄に関する関する詳細内容の把握」
に該当する記事であれば,ある事柄について,詳細内容が記述されている
箇所を解答とするような設問を作成する.
- 評価実験1,評価実験2と同様に,2名の被験者を対象にした実験を行う.
- 設問に対する回答時間を測定する.
結果を表5.3に示す.
表 5.3:
評価実験3の結果
問題 |
強調あり[秒] |
強調なし[秒] |
1 |
118.36 |
136.10 |
2 |
109.73 |
90.76 |
3 |
125.23 |
150.68 |
4 |
37.45 |
34.06 |
5 |
83.66 |
59.67 |
6 |
79.62 |
67.98 |
平均 |
92.342 |
89.875 |
結果からは平均で本手法の方が下回っており,本手法の有効性を確認できなかった.
評価実験3は4章で本手法が有効だとする分類にもとづいた設問に回答してもらう形式で
行ったが,この結果からは分類に属するテキストでも読書速度の向上,および内容理解に
対する有効性が確認できていない.しかし,両手法間の差は小さく,有意差検定からも明確な有意差を確認
していない.よって,本手法が分類にもとづいた実験において有効だとも,逆に副作用が働いて
読書の妨げになるということも明らかになっていない.
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平成23年3月23日