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翻訳候補文の選択に用いるスコアの問題

提案手法の効果が得られない場合として,翻訳候補文の中に,適切な翻訳文が あるが,統計翻訳が出力したスコアによって,最終的に不適切な翻訳文が出力さ れる場合がある.その例を表5.2に示す.

表 5.2: 提案手法の効果が得られなかった例
入力文 彼は立ち上がってあたりを見回した。
正解文 He rose to his feet and looked all
  around him.
提案手法の出力 He stood up and around.



翻訳候補文 スコア
he stood up and around . -8.227
he stood up and looked around . -9.162
he stood up before around . -11.213
he looks around stood up . -11.480
you stand up , and he around . -13.873
he him some him and around . -16.309
 

5.2では,翻訳スコアが最も高い「he stood up and around .」 が出力されているが,「he stood up and looked around .」の方が翻訳出力と して適切であると考える.この原因として,翻訳に適切でない文型パターン対が 入力文に対して適合していることが挙げられる.また,文型パターン対が入力 文に対して適合し過ぎていることが挙げられる.表5.2の例では,入 力文に対して,249パターンが適合し,中間言語文が作成されている.このよう な場合は,不適切な翻訳文が出力される可能性が高くなると考える. これらの問題を解決するために,文型パターン対の適合を制限する,または,別のスコ アリング方法を考える必要がある.


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平成24年3月30日