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マッチングの対象の問題

先行研究における,マッチング対象のフレーズテーブルにはフレーズ対があるが,提案手法における,マッチング対象のフレーズテーブルにはフレーズ対がないため,翻訳対に翻訳確率を付与することができないため,翻訳対を追加することができず,提案手法の翻訳精度が低下した例を表9.19に示す.


表: 提案手法が劣っていると判断した例5(先行研究との比較)
入力文 この 仕事 は 細心 の 注意 を 要する 。
参照文 This work needs close attention .
先行研究 This task requires a meticulous attention .
提案手法 This task requires a religious attention to detail .
 
使用されたフレーズ
先行研究 提案手法
この 仕事 12#12 This Task この 仕事 12#12 This Task
を 要する 12#12 requires を 要する 12#12 requires
は 12#12 a は 12#12 a
細心 の 12#12 meticulous 細心 の 注意 12#12 religious attention to detail
注意 を 12#12 attention 。 12#12 .
。 12#12 .  

この例では,先行研究,提案手法ともに意味が通る文である.しかし,入力文により適した文は先行研究だと判断した.提案手法において,``細心の'',`` meticulous''の翻訳対はフレーズテーブルに存在しない.その理由としては,DPマッチングの対象がgrow-diag-finalで作成したフレーズテーブルのため,作成されるフレーズ対の数がintersectionで作成したフレーズテーブルと比較して,非常に小さいためだと考える.よって,intersectionで作成したフレーズテーブルでDPマッチングを行えば,この翻訳対に対して確率を付与できるが,DPマッチングが有限時間内に終わらないため,現実的ではない.



平成24年3月23日