行為タイプが〔伝達〕のパターン

対話行為が〔伝達，生理，＊，＊〕のパターンの中から， 付与されていた情緒タグの件数の高いパターン上位10件を表12に示す （「＊」は任意を表す）．なお，$\theta$ の値でソートしている．

1.2

表 12: 〔伝達，生理，＊，＊〕のパターン

対話行為	パターン		《P》			《N》			《A》			《S》			《なし》	$\theta$	件数
〔伝達，生理，過去，実在〕	CLV^$renyou$ た。		45%			0%			55%			0%			0%	350	11
〔伝達，生理，非過去，実在〕	CLAJ^$kihon$ 。		39%			5%			49%			2%			4%	346	57
〔伝達，生理，過去，実在〕	CLV^$renyou$ ちゃったよ。		25%			13%			38%			25%			0%	330	8
〔伝達，生理，非過去，実在〕	CLAJ^$kihon$ よ。		24%			24%			41%			6%			6%	300	17
〔伝達，生理，非過去，実在〕	CLAJ。		8%			23%			69%			0%			0%	285	13
〔伝達，生理，非過去，実在〕	CLAJ^$kihon$ …。		11%			26%			58%			5%			0%	280	19
〔伝達，生理，非過去，実在〕	CLN。		63%			13%			13%			13%			0%	60	8
〔伝達，生理，非過去，実在〕	CLAJ^$kihon$ ー。		63%			0%			13%			13%			0%	48	8
〔伝達，生理，非過去，実在〕	CLNだよ。		56%			11%			33%			0%			0%	30	9
〔伝達，生理，非過去，実在〕	CLAJ^$kihon$ ね。		60%			0%			30%			10%			0%	30	10

表12から次のことが言える．

• 《A》が強いことが多い． 生理状態を伝達する場面というのは，自身の生理状態が良くない場合（例えば風邪など）が多いと考えられる．
• 【CLAJ。】は，「寒。」などの台詞から作られたパターンである．

対話行為が〔伝達，欲求，＊，＊〕のパターンの中から， 付与されていた情緒タグの件数の高いパターン上位10件を表13に示す （「＊」は任意を表す）．なお，$\theta$ の値でソートしている．

1.2

表 13: 〔伝達，欲求，＊，＊〕のパターン

対話行為	パターン		《P》			《N》			《A》			《S》			《なし》	$\theta$	件数
〔伝達，欲求，非過去，実在〕	CLV^$renyou$ て欲しいよ。		43%			0%			57%			0%			0%	345	7
〔伝達，欲求，非過去，否定〕	CLV^$renyou$ たくないよ。		33%			17%			50%			0%			0%	330	6
〔伝達，欲求，非過去，実在〕	CLV^$renyou$ たい。		29%			24%			38%			10%			0%	320	21
〔伝達，欲求，非過去，否定〕	CLVY^$mizen$ ない。		0%			17%			83%			0%			0%	288	6
〔伝達，欲求，非過去，否定〕	CLV^$renyou$ たくない…。		0%			33%			50%			17%			0%	260	6
〔伝達，欲求，非過去，実在〕	CLAJY^$kihon$ よ。		83%			0%			0%			17%			0%	60	6
〔伝達，欲求，非過去，実在〕	CLV^$katei$ ばいいのに。		50%			25%			25%			0%			0%	60	12
〔伝達，欲求，非過去，実在〕	CLV^$renyou$ たいよ。		50%			20%			26%			4%			0%	47	46
〔伝達，欲求，非過去，実在〕	CLV^$renyou$ たいな。		67%			0%			33%			0%			0%	30	6
〔伝達，欲求，非過去，実在〕	CLV^$renyou$ たい…。		43%			14%			29%			0%			0%	30	7

表13から次のことが言える．

• 補助属性2が「否定」の場合，《A》が強い．
• $\theta$ の並びに〔伝達，生理〕のパターンと似た傾向が見られる． 欲求は生理的状態に起因することも多いためではないかと推測できる．
• 「欲求」は対象タイプであるので，文末表現ではなく変数部分に相当するべきであるが， 表13の多くのパターンは文末表現が「欲求」を表している．

対話行為が〔伝達，情緒，＊，＊〕のパターンの中から， 付与されていた情緒タグの件数の高いパターン上位10件を表14に示す （「＊」は任意を表す）．なお，$\theta$ の値でソートしている．

1.2

表 14: 〔伝達，情緒，＊，＊〕のパターン

対話行為	パターン		《P》			《N》			《A》			《S》			《なし》	$\theta$	件数
〔伝達，情緒，非過去，実在〕	CLAJ^$kihon$ よ。		36%			21%			39%			4%			0%	348	28
〔伝達，情緒，非過去，実在〕	え！		10%			10%			28%			48%			0%	300	29
〔伝達，情緒，非過去，実在〕	CLNだよ。		18%			27%			55%			0%			0%	284	51
〔伝達，情緒，非過去，実在〕	あ！		3%			13%			20%			50%			0%	264	30
〔伝達，情緒，非過去，実在〕	えっ！		4%			19%			19%			54%			0%	240	26
〔伝達，情緒，非過去，実在〕	あれ？		16%			19%			6%			47%			6%	135	32
〔伝達，情緒，非過去，実在〕	えっ。		16%			14%			8%			60%			0%	103	86
〔伝達，情緒，非過去，実在〕	あっ。		8%			6%			3%			64%			3%	90	36
〔伝達，情緒，非過去，実在〕	CLN。		48%			20%			23%			5%			0%	53	56
〔伝達，情緒，非過去，実在〕	CLAJ^$kihon$ 。		48%			18%			30%			3%			0%	35	40

表14から次のことが言える．

• 字面のみのパターンが多い．
• 字面のみのパターンでは《S》が強い．驚きを感じた時に発する感嘆の台詞であるためと考えられる．
• 字面のみでないパターンは《P》，《N》，《A》にバラつきがある． 情緒そのものを伝達する台詞から作られたため，特定の情緒との共起に偏ることが少なかったと考えられる．

対話行為が〔伝達，プラン，＊，＊〕のパターンの中から， 付与されていた情緒タグの件数の高いパターン上位10件を表15に示す （「＊」は任意を表す）．なお，$\theta$ の値でソートしている．

1.2

表 15: 〔伝達，プラン，＊，＊〕のパターン

対話行為	パターン		《P》			《N》			《A》			《S》			《なし》	$\theta$	件数
〔伝達，プラン，非過去，否定〕	CLV^$mizen$ ないよ。		27%			23%			31%			12%			4%	330	26
〔伝達，プラン，非過去，想像〕	CLV^$mizen$ うかな。		84%			12%			0%			4%			0%	69	25
〔伝達，プラン，非過去，想像〕	CLV^$mizen$ う。		74%			13%			4%			4%			4%	68	84
〔伝達，プラン，過去，実在〕	CLV^$renyou$ たよ。		68%			10%			7%			5%			7%	62	84
〔伝達，プラン，非過去，実在〕	CLV^$kihon$ よ。		74%			7%			12%			2%			5%	56	43
〔伝達，プラン，非過去，想像〕	CLV^$kihon$ よ。		63%			13%			17%			2%			3%	55	136
〔伝達，プラン，非過去，想像〕	CLV^$renyou$ ます。		46%			11%			14%			7%			11%	54	28
〔伝達，プラン，非過去，想像〕	CLV^$kihon$ ぞ。		69%			3%			17%			3%			6%	48	36
〔伝達，プラン，過去，実在〕	CLV^$renyou$ たんだよ。		69%			4%			23%			0%			4%	42	26
〔伝達，プラン，非過去，想像〕	CLV^$kihon$ 。		39%			18%			29%			4%			7%	30	28

表15から次のことが言える．

• 《P》の強いパターンが多い．
• 【CLV^$mizen$ う。】は，〔要求，プラン〕（表10）にも存在する． 例えば，「一緒に遊ぼう。」のように他人を誘う場合は「要求」であり， 「もう寝よう。」のように自分の行動を述べる場合は「伝達」である．
• 補助属性2が「否定」である【CLV^$mizen$ ないよ。】は《A》が最も強い． 〔要求，プラン〕のパターン同様に，補助属性の違いによって 情緒的傾向の違いがあるかどうか， 〔伝達，プラン，＊，実在〕のパターン全体， 〔伝達，プラン，＊，想像〕のパターン全体， 〔伝達，プラン，＊，否定〕のパターン全体のそれぞれについて 情緒成分の平均値を求めたところ，数値に顕著な差が見られた． 表16にその値を示す．

1.2

表 16: 補助属性2ごとに見た〔伝達，プラン，＊，＊〕の情緒的傾向

補助属性2	《P》	《N》	《A》	《S》	《なし》	$\theta$	パターン件数
実在	44.7%	13.4%	28.4%	5.5%	3.6%	31	114
想像	61.9%	10.9%	15.6%	3.1%	4.6%	54	94
否定	14.8%	28.6%	48.5%	4.5%	3.1%	275	30

対話行為が〔伝達，属性，＊，＊〕のパターンの中から， 付与されていた情緒タグの件数の高いパターン上位10件を表17に示す （「＊」は任意を表す）．なお，$\theta$ の値でソートしている．

1.2

表 17: 〔伝達，属性，＊，＊〕のパターン

対話行為	パターン		《P》			《N》			《A》			《S》			《なし》	$\theta$	件数
〔伝達，属性，非過去，実在〕	CLN。		35%			10%			42%			5%			1%	346	219
〔伝達，属性，非過去，実在〕	CLAJ^$kihon$ よ。		31%			25%			36%			6%			2%	330	85
〔伝達，属性，非過去，実在〕	CLNっ。		17%			17%			54%			7%			0%	300	46
〔伝達，属性，非過去，実在〕	CLNッ。		6%			10%			75%			0%			0%	296	48
〔伝達，属性，非過去，実在〕	CLNだ。		20%			22%			41%			8%			2%	294	49
〔伝達，属性，非過去，実在〕	CLNよ。		8%			18%			57%			4%			8%	288	51
〔伝達，属性，非過去，実在〕	CLAJ^$kihon$ ね。		61%			9%			10%			14%			3%	58	70
〔伝達，属性，非過去，実在〕	CLAJ^$kihon$ 。		43%			12%			22%			9%			3%	41	99
〔伝達，属性，非過去，実在〕	CLNだよ。		46%			15%			33%			4%			1%	25	112
〔伝達，属性，非過去，実在〕	CLNだね。		42%			9%			36%			9%			4%	10	69

表17から次のことが言える．

• 《P》と《A》が強い．
• 感情的なニュアンスが感じられるパターンは，この表では【CLNッ。】ぐらいである． それにも関わらず偏った情緒との共起が目立つのは，属性の内容によるものと考えられる．
• 属性を伝達する場合，形容詞述語による台詞（例えば「素晴らしいね。」等）からのパターンが予想されるのだが， 名詞述語からのパターンが目立つ．

対話行為が〔伝達，その他，＊，＊〕のパターンの中から， 付与されていた情緒タグの件数の高いパターン上位10件を表18に示す （「＊」は任意を表す）．なお，$\theta$ の値でソートしている．

1.2

表 18: 〔伝達，その他，＊，＊〕のパターン

対話行為	パターン		《P》			《N》			《A》			《S》			《なし》	$\theta$	件数
〔伝達，その他，過去，実在〕	CLV^$renyou$ た。		54%			15%			5%			13%			3%	73	39
〔伝達，その他，非過去，実在〕	CLNです。		37%			11%			5%			0%			16%	70	73
〔伝達，その他，非過去，実在〕	CLNだね。		62%			8%			0%			12%			4%	68	26
〔伝達，その他，非過去，実在〕	CLN。		59%			6%			7%			6%			9%	58	68
〔伝達，その他，非過去，実在〕	CLNだ。		50%			4%			11%			19%			6%	52	94
〔伝達，その他，非過去，実在〕	CLV^$kihon$ よ。		58%			8%			15%			15%			0%	51	26
〔伝達，その他，非過去，実在〕	CLNだよ。		57%			8%			17%			6%			9%	50	145
〔伝達，その他，非過去，実在〕	CLNだっ。		36%			11%			16%			18%			0%	49	45
〔伝達，その他，非過去，実在〕	CLV^$renyou$ てるよ。		55%			0%			16%			13%			13%	42	31
〔伝達，その他，非過去，実在〕	CLNよ。		53%			3%			24%			7%			7%	35	58

表18から次のことが言える．

• 《P》が強く，《N》や《A》は弱い．