表7,8および11,12より, 文末表現変更の前後で意図が保たれたかどうか考察を行う.
意図を変えずに情緒的な雰囲気を変化させることが 文末表現選択の目的であるため, 意図が保たれた数と目的の情緒が伝わった数の積集合について 考察することは有用であると考える.
情緒を9分類系で見た場合, 文末表現の変更前は平均7.2問,全体の合計では43問(9.2%), 文末表現の変更後は平均3.7問,全体の合計では22問(9.2%)で 意図が保たれ,尚且つ目的の情緒が伝わっている.
また,情緒を5文類系で見た場合, 文末表現の変更前は平均9.7問,全体の合計では58問(24.2%), 文末表現の変更後は平均5.2問,全体の合計では31問(12.9%)で 意図が保たれ,尚且つ目的の情緒が伝わっている.
最も条件が緩い「5分類系・単純一致」で見ても, 24.2%と値は低い.また,グラフを見ても 被験者全員で意図が保たれず情緒も伝わらなかった問題 の多さが目立つ.
意図が保たれたかどうかに対する考察, 目的の情緒が伝わったかどうかに対する考察で述べた点を考慮し, より良い結果が得られるよう 実験条件を変える等の試行錯誤が必要である.