動詞などと併用する助動詞相当表現を 様相関数と呼ぶ.様相関数の本来の用途とは少し異なるが, 独自の様相関数を新たに定義し,表記の揺れを吸収する目的でパターンの記述に用いる.
文末表現によっては,前に接続する動詞の音便の揺れを吸収する必要がある. 代表的な例として,文末表現に含まれる助詞「て」は,接続する動詞によって 音韻が「で」に変化する.このため,「て」「で」の双方に適合する 関数を定義し,パターン文の記述に用いる.また, 「ても」「でも」の双方に適合する関数も定義する. これは形態素解析プログラムの動作の関係上, 「見てもいいよ。」などの文で「ても」が一つの形態素と 見なされてしまうことに対応するためである.