入力文 :人の性は善であると言われている
模範訳 :(It is said that men are born good.)
英文パターン : #2[AJ()] pretty
.
生成文 :[People say prretty born.]
例1では,英文パターンから「皆は〜と言う」という表現しかできない変数の量
と配置である.これに加え,「〜と言う」の「〜」の部分には真理項の関係上,
英文パターン中で「pretty」に固定されてしまっている.その結果,「意味が似
ていない上に,パターンによる表現方法にも問題がある」としか言えない生成文
になってしまった.後述の実験結果で,評価CやDが圧倒的に多いのは,この例の
様に従様部分に字面が残っている,パターン中の変数量では表現しきれない,と
いうことが多いからである.
・例2
入力文 :貴社よりご照会をいただき、ありがとうございます
模範訳 :(We thank you for your inquiry.)
英文パターン :<I| > be looking forward to our continued friendship .
生成文 :[You are looking forward to our continued friendship us.]
例2は例1と同様に,本研究の障害を良く説明してくれている.例2ではパターン 中の字面があまりにも多過ぎるので,仮にパターンが良いため「検索自体が成功」 でも,「単語挿入ができず,翻訳に利用可能か判らない」という問題がある.
そもそも字面が残る理由は,真理項が表わす情報を反映させるには,パターンのこの部 分を字面にするしかない,ということである.もし,本方式の大幅改良するとし たら,生成文の作成方法の厳しさを,却下された「生成方法1」のように緩くす るか,真理項とパターンの関係を見直す必要がある. ・例3
入力文 :今は議論をしている時ではない。
模範訳 :(This is no time for argument.)
英文パターン :'s be #3[] thoughtful.
生成文 :[This is thoughtful.]
例3の場合,このパターンの規模ではそもそも入力文を表現し切れない上に,文 の重要な部分の動詞が字面で固定されているため,完全に入力の意味が判らない 状態である.