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評価Dの例



・例1

入力文 :人の性は善であると言われている

模範訳 :(It is said that men are born good.)

英文パターン : $N1$ $V5$ #2[AJ($N3$)] pretty

$N4$.

生成文 :[People say prretty born.]

例1では,英文パターンから「皆は〜と言う」という表現しかできない変数の量 と配置である.これに加え,「〜と言う」の「〜」の部分には真理項の関係上, 英文パターン中で「pretty」に固定されてしまっている.その結果,「意味が似 ていない上に,パターンによる表現方法にも問題がある」としか言えない生成文 になってしまった.後述の実験結果で,評価CやDが圧倒的に多いのは,この例の 様に従様部分に字面が残っている,パターン中の変数量では表現しきれない,と いうことが多いからである.


・例2

入力文 :貴社よりご照会をいただき、ありがとうございます

模範訳 :(We thank you for your inquiry.)

英文パターン :<I| $N2$> be looking forward to our continued friendship $N1$.

生成文 :[You are looking forward to our continued friendship us.]

例2は例1と同様に,本研究の障害を良く説明してくれている.例2ではパターン 中の字面があまりにも多過ぎるので,仮にパターンが良いため「検索自体が成功」 でも,「単語挿入ができず,翻訳に利用可能か判らない」という問題がある.

そもそも字面が残る理由は,真理項が表わす情報を反映させるには,パターンのこの部 分を字面にするしかない,ということである.もし,本方式の大幅改良するとし たら,生成文の作成方法の厳しさを,却下された「生成方法1」のように緩くす るか,真理項とパターンの関係を見直す必要がある. ・例3

入力文 :今は議論をしている時ではない。

模範訳 :(This is no time for argument.)

英文パターン :$N1$'s $N2$ be #3[$ADV4$] thoughtful.

生成文 :[This is thoughtful.]

例3の場合,このパターンの規模ではそもそも入力文を表現し切れない上に,文 の重要な部分の動詞が字面で固定されているため,完全に入力の意味が判らない 状態である.



平成18年3月20日