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目次
結合価パターンは,用言と格要素(名詞+格助詞)の意味的関係を記述したも
のである.用言と格要素間に意味属性による制約を付ける事で訳語選択の精度
を高める.本研究では,結合価パターンの名詞の意味属性を調べるために,
一般名詞意味属性体系(図)を用いる.日本語語彙大系に登
録してある結合価パターンにある名詞は,一般名詞意味属性体系によって意味
属性(図中の#1〜1964下の単語.#の数字は意味属性番号)
を付けている.上位の意味属性が下位の意味属性を包含する事と名詞の持つ意
味属性を利用し,結合価パターンは動詞の持つ意味を規定することができる.
本研究では,[3]にある「構文意味辞書」の
結合価パターンを基本にする.結合価パターンは,一般表現と慣用表現を合わ
せ,約15,000件の日本語文型パターンにまとめている.結合価パターンの例を
表に示す.
表:
結合価パターンの一般表現と慣用表現の一例
一般 |
(3主体)が (3主体)を 援助する |
help |
慣用 |
(838食料)が 口に 合う |
taste good |
なおとは名詞変数であり,括弧内は名詞の意味属性番号と意味属性である.
また,一般表現は,用言と一つ以上の格要素で規定する.慣用表現は,
名詞が意味属性でなく直接単語の字面で規定され,主に特殊な表現に用いる.
平成17年4月14日