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目次
結合価パターンと照合を行う際,結合価パターンにおいて,入力動詞句にはな
い補語が含まれることがある.この補語を残しておいてしまうと,出力結果に
変数が字面で残ってしまう.そこで,不要な補語を削除する.例を以下に示す.
例)
入力動詞句:授業料を払う。
理想解:pay the tuition
適合パターン(日;英):(3主体)が(1168制度
(経済) 934貨幣)を (3主体)に払う。; pay to
代入値:=授業料→tuition
動詞句「授業料を払う。」に対し,「(3主体)が(1168 制
度(経済) 934 貨幣)を (3主体)に払う。」というパターンが適合した.
用言「払う」と,更に格要素の中の``を格''であると授業料が適合してい
る.しかし,日本語パターンには「(3主体)に」という格要素も含まれ
る.これは補語であり,入力動詞句には存在しない要素である.そのため,
は代入値を持たず,変数のまま残ってしまう.変数のまま残ってしまうと,
出力が「pay tuition to 」となってしまうが,入力動詞句に存在しない要
素「(3主体)に」に対応する「to 」を削除すれば,出力が「pay
tuition」となり,入力動詞句に則した結果となることが分かる.
ここで,入力にない要素が削除の対象となるが,目的語が入力にない要
素だとしても削除の対象にならない.それは,目的語は英語文において,文の
骨格を成すものであるためである.入力にない要素が目的語であるか否かを判
定するのは,以下のアルゴリズムを用いる.
- パターンにおいて最後に適合した変数以降に変数(所有格ではない)が
そのまま残っている場合
この場合,入力動詞句は,その残った任意格には適合していないと考
えられ,消しても問題はない.なので,最後に適合した変数より後に適
合することなく残った変数があるなら,そのあとの文字列は消去する.
例を以下に示す.
入力動詞句:それを認める。
理想解:accept that
適合パターン(日;英):(3主体)が (*)を
(*)と 認める。; recognize as
出力結果:@recognize it
代入値:=それ→it
例において,最後に適合した変数はである.しかし,適合した英語
のパターンにはのあとに更にという変数がある.に代入値
がないということは,つまり,日本語のパターンの中の「(*)と」
の部分が入力動詞句にないことになる.よって,その対訳である「as
」を削除する.
- パターンにおいて最後に適合した変数以降に変数が残っていない場合,
または,残った変数が所有格の場合
この場合,入力動詞句は,パターンの全ての任意格に適合していると
考えられる.なので,そのあとの文字列を消すことはしない.
例1)
入力動詞句:たくさんの人に迷惑を掛ける。
理想解:annoy many people along the way
適合パターン(日;英):(3主体)が (3主体)
に 迷惑を 掛ける。; cause trouble
出力結果:@cause たくさんの人 trouble
代入値:=たくさんの人→たくさんの人
例1において,最後に適合した変数はである.以降,変数は存
在しないため,以降の文字列「trouble」は重要な情報であると考
えられる.そのため,この情報を削除することはしない.
例2)
入力動詞句:最近の報道を気に掛ける。
理想解:concern about the latest news
適合パターン(日;英):(4人)が (*)を 気に
掛ける。 have on 's mind
出力結果:@have 最近の報道 on ('s) mind
代入値:=最近の報道→最近の報道
例2において,最後に適合した変数はである.以降に,
「's」という所有格が残っている.この所有格はその次の単語を修
飾しており,重要な情報であると考えられる.よって,この情報を削除
することはしない.
平成17年4月14日