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翻訳手順

翻訳アルゴリズムを例とともに以下に示す.
  1. 日本語の動詞句の入力
    入力する動詞句の例を以下に示す.
        ・授業料を払う。
  2. 結合価パターンの抽出
    入力した動詞句から,結合価パターンの抽出を行う時の条件を以下に示す.
    1. 格要素の省略,格要素の順序変更,修飾語句の挿入, 任意追加の格要素を許可する.
    2. 必修の述語付属語の条件を必須とする.
    抽出したパターンの候補を以下に示す.
        ・$N1$(3主体)が$N2$(1168制度(経済) 934貨幣)を$N3$(3主 体)に払う。:$N1$ pay $N2$ to $N3$
        ・$N1$(4人)が$N2$(533具体物 1235事)を払う。:$N1$ get rid of $N2$
        ・$N1$(4主体)が$N2$(388場所 865家屋(本体) 1595宿泊)を払う。: $N1$ move to $N2$
  3. 照合による選択
    意味属性制約を行い,更に慣用句表現を優先的に選択し,最も広範囲に 入力文と一致するパターンの選択を行う.候補のパターンから,照合に より選択されたパターンを以下に示す.
        ・$N1$(4主体)が$N2$(1168制度(経済) 934貨幣)を$N3$(3主 体)に払う。:$N1$ pay $N2$ to $N3$
  4. 名詞変数への訳語の挿入,入力にない要素の削除
    既存の日英辞書引きプログラムを用い, 入力動詞句と適合する変数に訳語を代入する.入力にない要素について は,目的語ならばパターンの骨格を左右するので残すが,補語ならば骨 格とは関係ないため削除する.名詞変数への挿入と,入力にない要素の 削除を以下に示す.
        ・$N2$=授業料→tuition
    また,「to $N3$」については,入力動詞句にない要素であり,補語で あるため消去する.
  5. 英語の動詞句の形成
    主語に該当する変数を削除し,句を形成する.句を形成した例を以下に 示す.
        ・pay tuition
  6. 句形成した英文の出力
    句形成した英文をそのまま出力する.
    このようにして,日本語の動詞句の翻訳を行う.
    なお,本プロトタイプでは,主動詞と格要素の訳出構造をとらえること が目的である.名詞訳語の選択,任意の格要素(時間,場所,手段など)の訳 語挿入,副詞の挿入,冠詞・数の問題は扱わない.



平成17年4月14日