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意味的対応関係の調査


意味的曖昧性を調べるため,対応表より日本語,英語それぞれについて 1 パター ンに対応するパターンの最大数や平均数等を調べる.この結果を表 4 に示す.

ここで,最大対応数とは 1 つの原言語に対応する目的言語の最大数を表す.そ して平均対応数とは 1 つの原言語に対応する目的言語の平均数を表す.これに 対しては,Nが 1 を含む場合と,Nが 2 以上に限定した場合につい て調べる.また 1: N(複数)対応の割合とは目的言語が一意に決定できない割合を示す.


 
 
Table 4: パターンの対応関係
  日本語→英語 英語→日本語
最大対応数 17 6
平均対応数( N≧1) 4.1 3.1
平均対応数( N≧2) 5.7 3.4
1: N(複数)対応の割合(%) 66.3(205/309) 88.9(367/413)

4 より,Nが 1 以上の場合の平均対応数は,日本語から英 語で 4.1,英語から日本語で 3.1 である.Nが 2 以上に限定した場合 の平均対応数は,日本語から英語で 5.7,英語から日本語で 3.4 である. また,1:N(複数)対応の割合が日本語か ら英語で 66.3%,英語から日本語で 88.9%の割合で, 一意に決定できない場合が多いことが分かる. 最大対応数が日本語から英語で17 パターンと多いことも分かる.

表 1 ・2 より 1 つのパターンに対応する訳パターンの数を調べる.そして,そ の分布状況の結果を図 5・図 6 に示す.



  
Figure 5: 日本語パターンに対応する英語パターンの数と度数
\includegraphics[scale=1.3]{J-E-dosuu-2.eps}

5 より,日本語パターンに対応する英語パターンにおいては,1 つの原言語に対応する目的 言語の種類が多いことが分かる.しかし種類の数が増えるに従い,その度数は減って いる.そのため,対応パターンの種類が多いのに反して,Nが 1 以上の場 合の平均対応数は 4.1 と小さな値となる.




  
Figure 6: 英語パターンに対応する日本語パターンの数と度数
\includegraphics[scale=1.3]{E-J-dosuu-2.eps}

5 と図 6 を比較して,英語パターンに対応する日本語パター ンにおいては,1 つの原言語に対応する目的言語の種類が少ないことが分かる. 一意に決定する割合も低いことより,Nが 1 以上の場合の平均対応数 は 3.1 と小さな値となる.

以上のことから,対応パターンが曖昧で一意に 決定することが困難と言える.そこで対応パターンを一意に決定するため に対応パターンを絞り込んでいく手法が必要である.

この問題については,6章で考察する.




2002-03-06