日本語語彙大系において, パターンを用いて日英を対応付ける方法[3]を図 2に示す.
図 2 のように訳語が複数存在する場合でも,1 つの原言語に 1 つの 目的言語と,単一的に対応している.この方法は単一的であるため,文脈に応 じて最適な訳語が選択できない.
これに対して,概念を対応付けるための表現 形式を意味類型(例:原因,結果)と定義し,意味類型を介して 2 つの言語パ ターンを対応付ける方法がある.この方法を図 3に示す.
図 3 のように意味類型を用いると,パターンの対応関係は,原言語と 目的言語の間で単一的なつながりではなく,M(複数):N(複数)の 対応となる. この対応関係により,訳語表現 として複数の候補の中から,文脈に応じて最適な表現が決定できる可能性があ る.ところが,複数の候補から 1 つに絞る必要がある.そこ で本研究では,パターンを作成し,因果関係構文の対応表を作成する.そして, 作成した対応表から意味的対応関係を調べ,一意に選択する手法を考える.