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5.2.3 先行研究との比較

名詞の訳語選択については,IPAL辞書の名詞における「意味的用法」に関する知識分類を使用し た訳語選択の可能性について机上で検討した研究がある[15].この研究では,意味属性が決 定することにより,IPAL辞書の多義を持つ名詞をどこまで訳し分けできるかを 調査している.その調査によると,名詞は表7のように分類される.各分類の 名詞の出現割合は,「訳語多義なし」56.4%,「一意に絞 り込み可能」24.0%,「場合により可能」3.5%,「絞り込み可能」10.5%, 「不可 能」5.7%となっている.本研究の結果をこの分類に当てはめ,それぞれの正解率 を調査した.その結果を表7に「訳し分け精度」として示す.結果を見ると, 先行研究において意味属 性により訳し分けが「不可能」,「絞り込み可能」までと考察された見出し語 については,他に比べ誤り率が高くなっており,先行研究の考察とほぼ一致する.


表 7: 意味属性による訳し分けの可能性と実測値
分類 各分類の訳し分け精度
(参考文献13より) ×
訳語多義なし 71% 25% 4%
一意に絞り込み可能 56% 32% 12%
場合により可能 49% 42% 9%
絞り込み可能 44% 40% 15%
不可能 52% 32% 16%


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平成15年5月19日