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表3,4より,全ての実験にお
いて,単語のモーラ数と単語のモーラ位置を用いることにより,音素境界位
置および音素継続時間の精度向上が認められた.特に母音と母音の間の境界位
置の精度が向上した.精度が向上した理由として、ピッチ周波数と単語のモ−ラ数および単語の
モ−ラ位置の依存関係を使うことで,フォルマントにおけるピッチの影響が分
離し,その結果,音素境界位置の精度は向上したと考えている.
また,音素境界位置の平均値は約3ms以内,音素継続時間の平均値は約4ms以内
に収まった.フレーム周期は5msであることから,平均値の精度は十分なもの
と考えている.
ただし,音素境界位置のず
れから求めた標準偏差は,男性話者で21.44ms,女性話者で24.19msであった.
人手によって求められる音素境界位置のゆらぎは5ms程度といわれているので,
さらに精度を向上させる必要があると考えている.
平成14年2月22日