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音韻間の解析


各話者における音韻毎の音素境界位置の精度を調べた.話者MAUにおける音韻間の解析 結果を表5に示す。 なお,音響モデルはFull-covarianceを使用し,実験条件は表2と同等である.



表: MAUの音韻間の音素境界位置(Full)
モーラ無し モーラ有り
音素間 音素数 標準偏差 音素数 標準偏差
母音-母音 1351 54.03 1266 40.87
母音-半母音 846 11.51 735 13.52
母音-鼻音 442 9.88 402 10.05
母音-無音 2470 16.36 2322 21.01
母音-摩擦音 579 15.42 513 16.80
母音-促音 565 17.00 554 27.76
母音-有声破裂音 462 12.26 419 13.45
母音-無声破裂音 1175 12.73 1084 11.29
半母音-母音 1400 15.40 1271 15.55
鼻音-母音 756 15.32 700 18.09
無音-母音 339 8.15 303 7.87
摩擦音-母音 1265 17.20 1171 18.12
促音-母音 12 37.94 12 20.61
有声破裂音-母音 700 14.88 650 17.81
無声破裂音-母音 2036 12.10 1890 12.94

音韻間の解析結果から、特に母音と母音の音素境界位置の精度が良くなっていることがわかった. 母音と母音の音素境界位置の標準偏差は,男性話者では約14.8ms向上し, 女性話者では約27.8ms精度が向上した. しかし,他の音素境界においては精度の向上はあまり見られない.

この理由として,母音にはピッチが含まれるため,モーラ情報を利用すること により,ピッチの影響が分離できるのに対し、子音では,ピッチをあまり含まないため, モーラ情報を使用しても効果がなかったと考えている.



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平成14年2月22日