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意味的対応関係

現実の言語表現では,1つの原言語の表現に複数の目的言語の表現が対応してい る.以下に図を用いてその関係を示す.

  
Figure 2: 意味的対応関係の図
\includegraphics[height=7cm]{zu2.5.eps}

上の図は日本語のある表現の意味の範囲を円で表している. またこの表現に対応する2つの英語表現で表現される意味の範囲を太線 で表している.このような場合,もし現実の日本語表現がAの領域の意味で使用さ れているときは,英語表現1,2のどちらを用いてもよい.しかしBの意味の場合は 英語表現1を 用いる必要がある.

また具体例を以下に示す.

(例文1)「彼はクラスの中で一番背が高い」

例文1には以下の複数の表現が対応する.

もし原文中で強調の意味で用いられている場合は,2の英文を用いる必要がある.

この例のように翻訳家が翻訳する場合,複数の目的言語の表現の中から,原文に応じて最も 適した表現を選ぶのが普通である.パターンとして考えると,1対複数の関係で パターンを対応づける必要がある.




2002-03-06