現実の言語表現では,1つの原言語の表現に複数の目的言語の表現が対応してい
る.以下に図を用いてその関係を示す.
上の図は日本語のある表現の意味の範囲を円で表している. またこの表現に対応する2つの英語表現で表現される意味の範囲を太線 で表している.このような場合,もし現実の日本語表現がAの領域の意味で使用さ れているときは,英語表現1,2のどちらを用いてもよい.しかしBの意味の場合は 英語表現1を 用いる必要がある.
また具体例を以下に示す.
(例文1)「彼はクラスの中で一番背が高い」
例文1には以下の複数の表現が対応する.
もし原文中で強調の意味で用いられている場合は,2の英文を用いる必要がある.
この例のように翻訳家が翻訳する場合,複数の目的言語の表現の中から,原文に応じて最も 適した表現を選ぶのが普通である.パターンとして考えると,1対複数の関係で パターンを対応づける必要がある.