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包含関係を持つ規則

包含関係を持つ構造規則の生成は階層構造を持つ属性を使用するため、汎化によっ て得られる構造規則を包含関係を持つように拡張することは可能である。

まず、包含関係を持つ構造規則について説明する。 包含関係を持つ構造規則を次の2つに分類する。

1.
上位下位関係が成り立つ場合の包含関係を持つ構造規則
2.
上位下位関係が成り立たない場合の包含関係を持つ構造規則

1.について図5.2の左図を用いて説明する。

構造規則に包含関係を認めると、以下の2つの構造規則の生成だけですむ。
1.(ノードd→B)
2.(ノードa→A)
注:(L→R):条件Lが成り立つとき、結論Rである。 この時、結論Rはクラスである
注:波線のノードの構造規則は生成されない。

これらの規則は、ある属性がノードdに包含されるならばクラスはBである。それ 以外でノードaに包含されるならばクラスはAであると解釈する。包含関係を持つ 構造規則を生成することにより、規則数を削減することができる。なお、包含関 係を持つ構造規則の場合、適用順序を考慮に入れる必要がある。

なお、構造規則に包含関係を認めない場合、以下の3つの構造規則が生成される。
(ノードb→A)
(ノードc→A)
(ノードd→B)

2.について図5.2の右図を用いて説明する。
(ノードB→A)
(ノードC→A)
上記の2つの規則は(ノードA→A)に包含され省略可能だが、ノードAとノード B,C間に上位下位関係が成り立たない場合は別々の構造規則として出力する。

この例は、汎用規則に包含され、通常ならば出力されない構造規則も出力される 例である。これは例外的な例で、日本語語彙体系 [1]において出 てくる問題である。中井ら [3]は上位下位シソーラスである日本語語 彙体系シソーラスの中で抽象度の高いノード間では単語単位で見て上位下位関係 が成り立たないノード対があり、上位のノードが下位のノードに影響を及ぼさな いように上位のノードを使用した構造規則を特別規則として、別扱いにする必要 があると報告している。よって、上位ノードと下位ノードを使用した構造規則は 別の構造規則と考え、たとえクラスが同一で下位ノードを省略できたとしても別 の構造規則として出力する。


  
Figure 5.2: 包含関係を持つ構造規則
\includegraphics{hougann.eps}



  
Figure 5.3: 包含関係を持つ構造規則の関係
\includegraphics{kasanari.eps}



Charlie &
1999-06-03